アカシア句集 3 前へ  次へ

椋鳥の先頭曲がり遅れたる
  平成9年1997・9月多摩川原を歩いていたら、椋鳥の500羽以上の大群が川から北の方へ飛んだが
  途中で向きを下流の方へ変えた。その時先頭の鳥は曲がり遅れてしまった。
  この句は1998・1月の運河で茨木先生の真味求心で取り上げていただいた。
鶏のうろつきをりぬ弓始
  平成10年1998正月4日奈良・大和神社の弓始めを訪ねた。射手が矢を順次放つ緊張した場面で
  境内の左の奥庭では鶏が数羽、のんきにうろついていた。
腰越は鎌倉近し山桜
  平成11年1999・4月江ノ島の腰越へ海釣りに行った。帰りに車で134号線を走ると道路の左の土手に
  山桜が咲いていた。腰越から鎌倉はわずか数キロなのに、昔義経は兄頼朝にここで足止めされて鎌倉に
  入れず、兄に釈明もできず京へ戻ったとのこと。  
目の前に斎王おはす賀茂祭
  平成12年2000・5月15日京都葵祭に参列、雨のため一時行列が止まったが、再開されて我々の前に
  斎王がきた。行列がしばらく止まったのでしっかり斎王を拝見でき、KBSラジオのインタビューも受けた。
百合鴎自由の女神の海に飛ぶ
  平成13年2001・1月長男夫婦の住むアメリカ・シンシナテイを訪問後、夫婦でボストンからニューヨークを
  訪ねた。貿易センタービル屋上から自由の女神を見たが、海を鴎が飛んでいた。
  この年の9月11日同時多発テロで、我々の登ったビルは破壊された。
ゆっくりと落つる木の葉を受け取れず
  平成13年2001・12月奈良・民俗博物館のある矢田公園を訪ねた。
  高いクヌギの木から落ち葉がゆっくりと散っていたが、手で受け取れなかった。
夏痩せの男の守る廃寺跡
  平成14年2002・8月末山添村の毛原廃寺跡を訪ねた。建物はないが礎石や庭は残っており、近くの家の主人に
  聞くと、代々この寺跡を守ってきたとのこと。主人はやせていた。
皇后のお成りあるかに梅白し
  平成15年2003・3月奈良・近鉄富雄駅の西の坂を鉄路に沿って登ると、白い梅が咲いていた。
  梅の花の気品は美智子妃殿下のようだった。
美しき蛾の止まりをり転害門
  平成15年2003・7月奈良の転害門を訪ねた。奈良で1200年以上残っている只一の建物である。
  土塀は少し崩れているが柱に美しい蛾が止まっていた。
平城京船着場跡柳絮飛ぶ 
  平成16年2004・5月大和郡山市・九条公園(スポーツセンター)の西の秋篠川の平城京船着場跡を
  訪ねた。ここは奈良時代西市のあったところで市場への荷物が陸揚げされたらしい。
  しばらく川の鯉などを見ていたら、白い柳絮が川上から飛んできた。
        

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