アカシア句集 19 前へ  次へ
 
書初の写経を終へて塔見上ぐ
  平成30年2018:1月薬師寺の写経道場を子供達と訪ね、全員で写経した。その後、別室で初点前をいただいた。
  道場を出て見上げると、西塔と修復中で覆われた東塔が見えた。

清酒祭仕込みの湯気の淑気かな
  平成30年2018:1月8日3年前と同様に奈良・正暦寺の清酒祭を訪ねた。
  今回も蒸し米を拡げるまで会場で待ったがその間、甑(こしき)の湯気が我々を時折包んだ。
  湯気も正月のめでたい湯気だった。その後粕汁ときな粉・餡のひねり餅をいただいたので、
  さらにめでたくなった。           

回りつつ輪を狭めけり鴨の陣         
  平成30年2018:1月末大和民俗公園へ行った帰り、大和田城の北の池を訪ねた。
     たまたま鴨が20羽くらい集まっていて鴨の陣を作っていた。
  そのうち鴨たちが時計回りに回転をはじめた。
  見ているとその輪が段々と狭くなってきた。そのうちの1羽が輪から抜けてしばらくして元に戻った。
  何のために回転をしているのか興味があった。

ポン菓子を買ひ得て出れば春の雪
  平成30年2018:2月前年の12月中学校のクリーンデイ(道路など環境掃除の日)、参加したら
  懐かしいポン菓子をいただいた。また食べたくなり、買おうとしたが近くの店では売っていない。
  やっと少し離れたスーパーで買えて、喜んで店を出たら春の雪が降っていた。
  少しの間だが昔に戻った気分だった。
         
行列の古墳を過ぎる春祭
  平成30年2018:4月奈良・大和神社のちゃんちゃん祭に参列した。
  これは鉦を叩きながら馬に乗った市長や武者と各地区の代表の行列がお旅所へ神をお送りして
  芸能をお見せする祭だが、お旅所への道には古墳があった。
                   
葉桜に緑の炎水陽炎
  平成30年2018:4月奈良生駒市・北田原の山中の池を歩いた。
  岸に坐って眺めていたら、岸に垂れる葉桜の葉に、水陽炎が映って揺れていた。
  まるで、緑の炎が水面から上がっているようだった。  
                     
老鶯の時過ぎゆくを惜しみ鳴く
  平成30年2018:5月木津川の上河原を歩いた。河原の藪では鶯がしきりに鳴いていた。
  5月も中旬となり春が過ぎゆくのを惜しんで鳴いているようだった。
           
シャカシャカ祭由来は藪の蛇の音
  平成30年2018:6月5日奈良・橿原市上品寺町のシャカシャカ祭を訪ねた。
  藁で編んだ大蛇を子供たちが担いで町内を歩き災難が無いよう祈る祭だが、当家の庭では2、3人の男性が
  藁で蛇を編み、赤布の舌を付けていた。名の由来を聞くと地元の男性は忘れたというので、
  インターネットで調べたら藪を動く蛇の音だったらしい。
         
茅の輪流る初瀬の川の夕風に
  平成30年2018:6月末奈良・田原本町の村屋神社の夏祓祭を訪ねた。
  渡された切幣を我が身に掛け、祈祷などの神事後、子供たちが茅の輪を初瀬川まで運んで、
  橋から茅の輪を投げて流した。
  夕日と夕風を受けてゆっくりと茅の輪が流れて行くのは、良い景色だった、
               
通り雨と見ればあまたの水馬
  平成30年2018:8月木津川から帰り道、精華町の山田川を歩いたら、堰の上にいきなり水輪が沢山見えたので、
  通り雨かと思ったが、よく見ると水馬だった。これほど多くの水馬を見たのも久しぶりだった。

コメント

このブログの人気の投稿