アカシア句集 10  前へ  次へ

師の句碑に炎天時をとどめたる
  平成22年2010・7月奈良・学園前の峰の寺阿弥陀寺を訪ねた。この寺には運河で指導いただいた
  山中麦邨先生の句碑「ここが炎天の中心かと思ふ」がある。この日も炎天で、木陰を探しながら
  境内を歩いた。句碑を見ていると炎天の時間はそのまま止まっているようだった。

堰下に水鶏来てゐる秋日和
  平成22年2010=10月近くの富雄川を歩いた。
  富雄中学校前の堰下に水鶏が1羽いた。
  水鶏を見たのは初めてで驚いた。川面には秋の日差しがあった。

草虱政治悪いと云ひて取る
  平成22年2010=11月生駒市竹林園を訪ねた。
  北側の池までの道を歩くと草じらみがズボンに沢山付いた。
  池の辺りで休見がてら草虱を 政治が悪い など独り言を言いながら取った。

加夜奈留美の神の谷田にどんど組む
  平成23年2011=1月御所市の吉祥草冠寺から飛鳥柏の森の加夜奈留実神社を訪ねた。
  途中の道の畑の中に高さ5メートル位のとんどの竹組みがあった。
  隙間には藁を詰めていつでも燃やせる準備ができていた。

薄氷の上まで波のすべりけり
  平成23年2011=1月奈良飛鳥カントリークラブの奥の池を訪ねた。
  池面の半分位に薄氷が張っていた。見ていると風が来て池波が薄氷の上まで滑って行った。
  水が氷を溶かすまでは見なかった。

厄除の甘酒釜にまだあると
  平成23年2011=2月奈良竜田大社の節分会を訪ねた。
  境内では護摩が焚かれ、テントの下の釜では甘酒が暖められており、紙コップに一杯ずつ頂いた。
  護摩の火が収まるまで見て帰ろうとテントの前を通ったら、甘酒まだあるよと言われておまけの甘酒を頂いた。
  幸先の良い節分だった。

氷柱あるやと隧道を抜けにけり
  平成23年2011=1月奈良、山陵町の北の田園を歩いた。
  寒かったので崖などに氷柱があるのではと、近鉄橿原線の土塁の下の隧道先まで歩いたが見つけられなかった。

蛇泳ぎ切つたるあとの静けさよ
  平成23年2011=5月奈良富雄川を大和田町日高大神の行者滝まで歩いた。
  途中の山池を蛇が泳いで対岸まで進んだ。
  泳ぎ着いたあと蛇は消えたが、山池は前より静かになった。

かきまぜる前からこぼしはつたい粉
  平成23年2011=6月久しぶりに[はったい粉]を食べた。
  昔のように砂糖を入れて水でかき回したが、カップに入れるときから粉をこぼした。
  子供の頃よく粉をこぼした事を思い出した。

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