アカシア句集 21 前へ 次へ
風あれば風に輝く芒かな
令和1年2019:9月下旬、奈良・生駒市の竹林園を訪ねたとき、100メートルほど
東の池の土手に芒が白い穂を出していました。時折風がくると芒がゆれて白い穂が
さらに白く輝きました。
冬紅葉残る日日こそ惜しむべし
令和1年2019:11月奈良市大和田町の行者滝を訪ねたとき東の池に立ち寄りまし
た。池の周囲の木々は美しく紅葉していましが、紅葉もあっという間に終わり
今年もじきに終わるので、今のうちにこの美しい時期を楽しんでおこうと
思いました。
初春の光を受けて女身仏
令和2年2020:1月3日次男一家と奈良・秋篠寺に初詣しました。
本堂には有名な伎芸天像が祀られています。
薄暗い本堂に入ると高く狭い窓から新春の光がさしこみ、伎芸天をやさしく包んで
いました。横から見上げると、伎芸天はますますおきれいでした。
日時計は大体合うよ園うらら
令和2年2020:2月奈良市北の山田川から仏坂を登り、北登美ケ丘2号街区公園を
訪ねました。梅を探しましたが見当たらず、長さ2メートル程の大きな日時計があり、
時刻の位置に煉瓦が置いてあります。午後2時でしたが、その日時計の影は2時の
煉瓦に届いており、大体時間はあっているようです。早くも春らしい日差があって
公園はうららかでした。
懸命に見る懸命の梅の花
令和2年2020:2月奈良・追分梅林を訪ねました。
数年前梅を植え替えるため、多くの梅の木が伐採され、殆ど若木になりましたが、
以前からの梅も残っていて、まだまだ咲くよというように、美しい花を開いて
います。見る自分も、おろそかに見てはがんばっている梅の木に悪いような気が
して、真面目に梅の花を見ました。
花吹雪その一瞬に出合ひたり
令和2年2020:4月8日:奈良・飛鳥カントリーの先、矢田丘陵遊歩道のムノ峰上池を
訪ねました。ゴルフ場の先なのでゴルフ池と勝手に呼んでいますが、池畔の桜の花が
訪ねました。ゴルフ場の先なのでゴルフ池と勝手に呼んでいますが、池畔の桜の花が
満開でベンチに坐って眺めているといきなり風がきて花びらを一斉に散らしました。
一瞬先が見えない程花びらばかりの世界になりました。
花吹雪は以前にも経験していますが、これほどの見事な花吹雪は初めてでした。
一匹が鳴けば鳴き出す田の蛙
令和2年2020:4月奈良・生駒市鹿畑の山道を歩きました。
峠に近いところに棚田と池があり、池を見ていたら横の田で蛙が一匹鳴き出しました。
すると同じ田でほかの蛙も負けてはならじと一斉に鳴き出しました。
静かな峠の田が急ににぎやかになりました。
茅花流し見んとて土手に風を待つ
令和2年2020:6月木津川からの帰り、奈良・登美ケ丘駅の北側の土手に茅花が
沢山咲いて白い穂を揺らしていました。茅萱の穂綿である茅花を飛ばす風を茅花流し
といいますが、実際に茅花が一斉に飛ぶのを見たことはありません。
一度見たいと土手の上に立って風が来るのを待ちましたが、結局そのような強い風は
来ませんでした。
矢田山と古道の石標草いきれ
令和2年2020:7月矢田の奈良民俗公園を訪ねようと、大和田町の切り通しを南へ
抜けたら、田の畦に、古い道路石標が立っていました。この細い道は奈良方面から
矢田山・矢田寺へ古道のようです。
石標には「指差しの形」と矢田山の文字があり、右の面には「大阪他力講」と彫って
あります。周りは背の高い夏草で早くも草いきれがありました。
石標は随分古びていて、100年以上昔のもののようです。
露草の眼を射るほどの青さかな
令和2年2020:9月生駒市・奈良先端技術大学院の北西の蛍谷公園を訪ねました。
公園は鹿畑から高山へ抜ける峠にあり、公園の右手は小さな丘でその土手に露草が
咲いていました。露草の青は山地のせいか特に青々として、緑の草むらの中で特に
目立つ目を射すような青でした。
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