アカシア句集
アカシア句集 26 前へ 次へ 露天湯の落葉を掬ふ箱根かな 令和6年2024年9月下旬、長男一家と箱根を訪ねました。 一泊した箱根ハイランドホテルは昔妻が亡くなった義姉と長男を連れて泊まったホテルですが、 箱根の仙石原にあり、その北東には昔の勤務先の保養所がありました。夕方、ホテルの露天風呂に入ると湯船に十枚以上の落葉が浮かんでおり、手で掬って湯船の外に投げ出しました。下界はまだ猛暑の名残の暑さでしたが、別世界に来たようでした。 屏風てふ里に秋風太子道 令和6年2024年11月、奈良三宅町屏風地区を歩きました。 ここは昔聖徳太子が斑鳩から明日香へ通われた道で太子道あるいは筋違い道とも言われる道の途中で、屏風杵築神社には太子の腰掛け石があります。村人が風よけのため屏風を立てておもてなしをしたので、この地を屏風と言うそうです。神社の庭に立つと時おり涼しい秋風が吹いて来ました。 元日の夕日の沈む速さかな 令和7年2025年元日、帰省中の長男夫婦と奈良平城宮を訪ねました。大極殿の近くの草原から西を見ると、まさに夕日が沈むところでした。見ていると山の稜線に夕日が触れると、あっという間に沈んでしまいました。 猿まはしの猿は直立春隣 令和7年2025年2月、前年オープンした道の駅「奈良クロスウエイ中町」を訪ねました。 たまたま店舗の西側の広場に人だかりがあったので寄って見ると猿まわしでした。実物の猿まわしを見るのは初めてでした。 小柄の猿が若い親方の指示で階段を飛び降りして皆を喜ばせていました。賢そうな猿は親方が説明をしている時も直立していました。 今日一日幸なる予感梅開く 令和7年2025年3月奈良追分の梅林を訪ねました。例年梅は1月末から咲き始めるのですが、この年開花が遅く、追分梅林も3月中旬になって数本の梅が花を着けました。風はまだ寒いのですが、立派に咲いている花を見ると、今日一日良いことがあるような気がしました。寒さに耐えた花のエネルギーに励まされるようです。